高い利便性が評価され、現在では様々なクラウドサービスが展開されています。ビジネス、プライベート問わず、何かしらのクラウドサービスを利用している方は多いでしょう。しかし「データをクラウド上にアップロードする」という特性上、利用するネットワークのセキュリティには留意が必要かもしれません。今回はクラウドサービスを利用している人を対象に行った「クラウドサービスはどのような場所で利用しますか?」というアンケートの結果から、クラウドサービスを利用する上での一般的なセキュリティ意識を探っていきます。
Q.クラウドサービスはどのような場所で利用しますか?
- 1位:自宅 70%
- 2位:会社以外では利用しない 11%
- 3位:その他 9%
- 3位:カフェや飲食店などの無線LAN 9%
- 4位:公共の無線LAN 1%
1位:自宅
- プライベートのデータや仕事のデータ保存などに、クラウドサービスを利用しています。主に、自宅での利用をしていて、外で使うと公共の無線LANなどでデータが盗まれるケースを想定しているからです。(埼玉県・31歳・男性)
- 外で(会社含む)利用してみたこともありますが、何か心配なので、結果的に自宅でしか利用しなくなりました。富山県・41歳・男性)
- 自宅のインターネットを利用して使用した方が安心できるので、基本的には自宅でしか使用しない。(愛知県・41歳・女性)
クラウドサービスを利用する環境として一番利用されているのは「自宅」です。その理由は、やはり「安心感」ということでした。どこでもデータにアクセスできることがクラウドサービスの魅力ですが、セキュリティ面を考えると「外部の回線で利用するのは怖い」という声が多いようです。
2位:会社以外では利用しない
- 仕事で使うのみです。画像や動画などを残しておきたいと特に思わないため、個人的に利用することはありません。(埼玉県・28歳・女性)
- ネット上で管理できるサービスですが、公私混同しないためにも、会社から一歩外へ出たらノータッチです。(千葉県・59歳・女性)
- 基本的には会社のみで利用します。個人ではセキュリティが心配なので、あまり利用する事はありません。(東京都・35歳・男性)
「仕事で使うだけだから、会社以外では使わない」という方も多くいらっしゃいます。個人的なクラウドサービスの利用は、全ての人に根付いているわけではないようです。中には、公私混同をさけるためやセキュリティへの懸念から、あえて会社のみの使用としている方もいることがわかります。
3位:その他
- 会社でも自宅でも使用しない。会社もセキュリティの関係から完全に自社サーバーで管理している。自宅でも自分のパソコンでデータを管理している。まだ信頼性に欠けるような気がして使用していない。(神奈川県・36歳・男性)
- 自宅でも利用しますが、コワーキングスペースの無線LANや、移動中にスマホのテザリングで利用することが多いです。(三重県・53歳・男性)
- 漏洩する恐れがあるので会社でも個人でも使いません。(山形県・40歳・男性)
3位:カフェや飲食店などの無線LAN
- お茶をしている間の暇つぶしで容量の必要な写真などのデータをアップロードしているから。(東京都・37歳・女性)
- 外出中の空き時間に使用することが多いです。仕事の効率も良くなり助かっています。(新潟県・36歳・男性)
- 通信制限にかからないようカフェで利用することが多いです。(大阪府・23歳・女性)
「その他」の選択肢を選んだ方は、「そもそもクラウドサービスを利用しない」という方と、「こだわりがない」という方に別れました。セキュリティへの意識が真逆という、興味深い結果になっています。
同数の方に選ばれたのが「カフェや飲食店などの無線LAN」です。カフェや移動先で作業をする「ノマドスタイル」が一般的になっていることがわかります。テザリングの通信制限やデータ送受信による従量課金の問題から、無制限の回線を使いたいという方もいるようです。
いかがでしょうか。同様のWebサービスを利用していても、利用者のセキュリティ意識は様々です。しかし、情報セキュリティの重要性が叫ばれる今日では、データ漏洩や改ざんのリスクを意識しておいて損はないでしょう。
もちろん、クラウドサービスの利点の一つが「どこでも利用できる優れたアクセシビリティ」であることは確かです。その点を踏まえると、データの重要度やプライベート性に応じて利用環境を変えるのが、クラウドサービスとの正しい付き合い方なのかもしれません。皆さんもクラウドサービスを利用する際には、「これからどんなデータを扱うのか」と「回線がデータの重要度やプライベート性に適しているのか」をよく鑑みるようにしましょう。