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コラム

IoTと公共施設・ショッピングモール

2018年09月30日
IoTと公共施設・ショッピングモール

以前はIoTといっても概念だけが先行していたものですが、ここ数年で俄然現実味が増してきたようです。というのも日本のIT系企業のみならず、あらゆる業種の企業が続々と実証実験を始めているからです。

特に公共施設やショッピングモールは、大量の人員を扱う場であり、絶好のテストケースとなる条件を備えています。各々のケースを見てみましょう。

来店状況の把握

2018年2月に横浜の商業施設「JOINUS」を舞台として、KDDIなど4社が共同で大規模な実証実験を行いました。実証実験ではIoTを活用し、来店者の来店状況を把握することができます。

具体的にどのように実施しているのか見てみましょう。まず店内の出入り口、ロビー、主要な各地点にIoTセンサーを配置します。さらに来店者には所持しているスマホからアプリやwifiを通して来店者属性や動作情報を取得します。リアルタイムで来店者情報が取得できるので、時々刻々の動線情報を確認することができます。

来店者が使うクーポンのアプリによって性別や年齢などの属性情報も把握することができます。どの年齢層か、あるいは学生か社会人か、男性か女性かという属性情報が、利用するクーポンアプリでキャッチできます。さらに加えてどのような経路を店内で移動したのか、詳細にわかります。

このように来店状況を正確に把握することで、顧客の動きや性別や年齢などの属性から、来場者の分析に生かすわけです。

駐車場、トイレの使用状況

前章では店内の来店者の動きをつかむためのIoT利用を紹介しましたが、一方で店外の駐車場の使用状況も重要な情報です。駐車場は有限なスペースと時間を、適格に判断して有効利用することが、営業する側では大きな課題となっています。

駐車場とトイレをパッケージしたIoTサービスもいくつかの企業が、既に展開し始めています。

マクニカネットワークスでは2018年5月より「LPWAパッケージ」を提供開始していますが、「トイレ」「空間環境」「駐車場」の利用モニタリングが可能です。これによって、例えばトイレや駐車場の混雑具合や、利用者の体調不良などのアクシデントをいち早くつかむことができます。このようなIoT活用によって混雑緩和や来店者への利便を高めることに役立てるわけです。

その他、レンジャーシステムズでも、商業施設やオフィスで使える「トイレsearching」、「駐車場searching」を提供しています。トイレや駐車場の使用状況や満空情報を可視化するサービスです。

ソフトバンクでも「ブルースマートパーキング」という駐車場に特化したサービスを発表しています。こちらは2018年10月から提供開始予定となっており、先だってベータ版トライアルが関東圏で実施される予定です。

人流計測、動線解析

人流計測・動線解析向けIoTシステムをActivio、アットマークテクノ、セゾン情報システムズが共同開発しています。
すでに2017年には実証実験がタイのバンコクで行われています。「JAPAN EXPO IN THAILAND」会場で上記のシステムを実施したのです。

仕組みは、来場者のスマホから発信される情報を、会場内の各地点に配置された専用のレシーバー(ゲートウェイ)がキャッチし、クラウドがその情報を蓄積していくというものです。

クラウドに用意されている分析システムによって即座に情報を分析し、人の流れと動線を見える化する技術を実現しています。これによって不特定多数の人流を計測し、大量のデータを安全にシームレスに処理するシステムになっています。

まとめ

IoTによって来店状況、駐車場やトイレの使用状況、人流・動線の把握ができることで、今後の社会インフラに大きな影響が与えられることが考えられます。また、マーケティングにも大いに活用されることになります。
モノづくりが得意な日本企業としては今後のIoT活用は、国内だけでなく国外にまで進出する機会もあります。さらなるIoTのイノベーションをチェックしていきたいものです。

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