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コラム

農業

2018年12月14日
農業

農業におけるIoT活用は、農林水産省でも積極的に推進している分野です。例えば農林水産省ではスマート農業技術という名称で、農業に活用できるIoT技術の資料をホームページで公開しています。
スマート農業がどのように実施されているか、実例をみていきましょう。

水田の管理(給水ポンプ、バルブ)

農林水産省では「革新的技術開発・緊急展開事業」をここ数年公募していますが、平成28年度には公募事業として「水田水管理IoT」が選択されました。この事業はインターネットイニシアティブ、静岡県交通基盤部農地局、笑農和(えのわ)、トゥモローズ、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の5社によって実証実験として実施されました。
水田の水管理を、センサーやLPWA通信を駆使し、その労力を50%削減することに成功しています。水稲農業では水田の水の管理に多大な労力がかかっており、農業従事者の大きな負担となっています。これをセンサーなどで水田の水量などの情報を把握し、通信技術と給水ポンプ、バルブをつないで制御するというものです。

しかし、この構想は以前からありましたが、ネックとなっているのがコスト面です。この実証実験では導入コストと運用コストを抑え、システムを農業従事者が導入しやすいように構成されています。

各種センサーの設置(気温、湿度、風量、日照量)

株式会社 SenSproutはIoTを活用した耐風圧設計のビニールハウスを開発しています。この高機能ビニールハウスは、ベビーリーフ国内最大手の株式会社果実堂の協力のもと、同社の栽培データと土壌水分センサーを利用して実現できたものです。
今後は、温度、湿度、日射量、画像等の情報を活用し、さらに複合環境制御を行えるように改良を進めていくことが見込めます。

このようなハウス栽培ではセンシング技術を駆使した「スマート農業」が次々と開発されています。
沖電気ネットワークインテグレーション株式会社は「Smart Farm Sensing」(スマート農業の見える化)のコンセプトを提唱し、IoTとインターネット、センサーを活用することで各種農作物の生育管理に関する実証実験を行っています。ここでもハウス内の温度、湿度、日射量、CO2、土壌内の温度や水分量などの情報を「見える化」することで、最適なハウス管理を実施できるのです。

ドローンの活用

ドローン・ジャパン株式会社では、2017年にドローンを活用した水田のデータを収集分析した情報を、農家に提供する実証実験を展開しています。
ドローンによって稲の育成状況を観測し、その情報をさらにクラウドにアップロードします。これによってクラウドから解析データを分析し、最適なタイミングで水田への害虫駆除や肥料散布が行えます。水稲農業では天候や水の状況などから肥料や害虫駆除のタイミングを計って行ってきました。その手間と労力、そして判断には農業従事者の長年の経験が必要です。ドローンを活用することで各段に労力を減らせることができ、経験ではなくデータを使った分析からジャストタイミングで実施することができます。
実際に「ドローン米」プロジェクトを実施しており、ドローンを駆使して稲作を行っている農家も多数参加しています。2018年の秋にはドローン米が新米として国内でも販売されています。

まとめ

今後の農業はIoTによって大きく変わっていくことは間違いないでしょう。特に日本は少子高齢化による農業従事者の人口が減っていきます。IoTやAIを活用することで農業における労働力を削減することができ、さらに効率的な生産が可能になれば、農業の将来は明るいものになるのではないでしょうか。

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