jumper

コラム

工場

2019年01月30日
工場

本格的にIoTが身近な場所に浸透してきている、そんな実感をお持ちの方は多いのではないでしょうか。製造業の現場では以前より産業用ロボットの活用を通して、IoT的なシステムが発達してきていました。いわゆる生産や製造のオートメーション化としての活用です。

しかしIoTを使った工場の統合管理は新しいステップに入っています。その動向をみていきましょう。

エネルギー使用量モニタリング(電気、ガス、etc)

最近のIoT活用例としては電気、ガスなどのエネルギーのスマート化を実現するIoTの導入があげられ、エネルギーの消費量の見える化と省エネ化を実現しています。これらには、OKIやパナソニック、日立など日本を代表する企業も積極的に工場に対応したシステムを提供しています。

例えばOKIが提案するエネルギー使用量の見える化の事例では、電力・ガス・水の使用量が視覚化されて管理できます。工場ではさまざまなエネルギーが利用されていますが、必ずしも適正な使用量がキープされているわけではありません。無駄に使いすぎたり、逆に想定より足りなかったりし、エネルギーの制御はコストや生産性と直結するため賢い使い方が模索されてきました。

IoTの活用によって、「いつ」「どこで」で「どのエネルギー」を「どれだけ」使うかを明確に把握し、リアルタイムでセンサーとネットワークで管理できます。センサーネットワークには、920MHz帯マルチホップ無線を利用してシステムを構築しています。

このように収集したデータを基に分析、適正な使用方法を確立し、総合的な工場の生産管理が行われています。

生産設備の遠隔監視

最近の工場では無人化がさらに進んでいます。無人の生産設備では、監視する人間が基本的にいないので、故障や生産機器の異常があった場合の対策が必要になります。今までの工場ではトラブルが発生すると信号灯やアラートを使って管理者に通知していましたが、最後は人間による判断と対処が必要です。

この場合、管理者が問題点を把握し、的確な指示を出すまでに時間の経過があったり、あるいは問題点を見落としたりと、ヒューマンエラーの可能性もありえました。前出のOKIのシステムでは生産設備と信号灯やアラートからの情報を無線ネットワークによって伝達し、詳細なデータをリアルタイムで収集記録し、同時に管理者へ情報を通知します。これによって工場の生産停止状態のダウンタイムをミニマムに抑えることができます。

同時に収集されたデータを基に、新たな生産計画を制作し、問題点の洗い出し、工場全体の改善や計画の見直しに役立てることができます。

在庫監視、物流監視、生産予測

生産設備はさまざまなメーカー、管理会社のシステムが共存して動いています。そのためいくつかの仕様が併存しているため全体を総合的に管理運営することは難しいといえます。つまりデータの互換性がないなかで、情報を共有し、活用する手段が必要になってきます。

このように生産設備の統合管理は理想的ではありますが、一方で現実的でないともいえます。しかし、生産設備の要所に電力計などのセンサーをとりつけ、データの収集・処理についてもネットワークを介して処理することで、この問題を解決できます。これが今後のIoTの利点となります。

こうした各メーカーに依存しないIoTを活用することで、一元的に在庫や物流の監視と管理がスマートな形で実現できます。さらには適格な生産予測も可能になり、適材適所に無駄のない配置や生産管理が行えます。

生産設備ごとのメーカーに依存することなく、工場独自の一元管理が実現できるIoTの活用は、さらに日本の製造業をステップアップさせる強力な一手となるのではないでしょうか。

まとめ

昨今のIoT活用は続々と新しい視点での実用化が実現されています。日本だけでなく世界で同様の現象が起きており、特に日本と切磋琢磨しているドイツやアメリカの動向も見逃せません。

国内の主要メーカーは多くの国内工場がある日本の市場で、よりIoTの発展と実現にしのぎを削っていますが、GAFAと呼ばれるIT系企業であるGoogle、Amazon、Facebook、Appleも別な方向からIoTに積極的に参入しています。GAFAのIoT参入は日本メーカーにとっても目が離せませんし、今後のIoTの展開には世界に注目していかなければならないでしょう。

CONTACT

製品・サービスに関するご質問、お見積もり、お問い合わせなど、お気軽にご連絡ください。

 050-5505-5509

受付時間 9:30 - 12:00, 13:00 - 17:00
(土日祝および年末年始を除く)