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コラム

工場でIoTが注目される背景①

2019年03月29日
工場でIoTが注目される背景

IoTは今やさまざまな分野でその利用が期待されています。農業、住宅、都市、インフラと、その用途は社会全体にすそ野を広げています。
別けても産業界に対する影響力は大きいといえます。IoTの活用こそ、産業界や製造業の生産効率を上げ、日本の人口減少に対するひとつの答えとなっているのではないでしょうか。特に日本のあらゆる工場はIoTの導入に積極的といわれています。
今回は、工場でIoTが注目される背景と、IoTの可能性について見ていきます。

高齢化社会を背景とした技術者不足

製造業における工場では、技術者不足が深刻な問題になっています。少子高齢化に伴って労働人口が減少している中、多くの企業が人手不足に悩んでいることもあり、就職市場は基本的に売り手市場の傾向が強くなっているようです。売り手市場は求職者が自分で仕事を選びやすいことから、きつい、厳しい、古いなどのイメージを抱かれやすい工場においては、将来の技術者候補として期待できる人材を確保することが難しくなっています。

加えて、将来の技術者となる人材を獲得することが難しいだけでなく、工場を現場で支えている現職の技術者の退職も大きな課題になっています。高齢化が進む中で、高齢のため以前のようには働けなくなったベテランの技術者が退職している状況であり、ベテランの技術を受け継ぐためのフレッシュな人材がいれば問題も減少しますが、新しい人材を確保することが難しいことから、技術を継承する者がいなくなってしまいます。

技術者不足の弊害

ベテラン技術者の退職と後継者不足が同時に発生したことによって、工場における技術者不足は深刻化しています。技術者が不足すると、さまざまな弊害が生じることになります。
まず、技術者の絶対数が不足することで、現場に残っている貴重な技術者の業務の負担は増加します。負担の増加は過労やストレスにつながり、高い技術力で現場を支えることができる貴重なベテランの離職や退職の原因になってしまいます。

また、人手不足は工場の業務を必然的に過酷なものにします。少ないマンパワーで業務を回すために、過酷な勤務条件での長時間労働が蔓延する原因になります。こうした労働条件の悪化によって離職者が増え、そのうわさによって技術を継承するための人材が集まらない、という悪循環につながります。

IoTの可能性

ベテラン技術者といった人材不足に悩む工場の現場において、IoTを導入することは状況の改善につながる可能性が大きいと言えるでしょう。
例えば、IoTを活用して使用している機械の稼働状況を把握することで、人員の少ない夜間や休日なども効率よく管理を行うことができ、それによって、少ない人員でも効率よく業務を行える環境づくりにつながります。また、IoTによって蓄積したデータを分析することで、どのような環境下で製造すべきかなど、熟練の技術者の経験を業務にフィードバックすることが可能になり、技術者不足を補うこともできるのです。

まとめ

さまざまなモノがインターネットに接続されることで高度な仕組みが構築されるIoTの技術は、少子高齢化による技術者不足で悩む工場の現場においても心強い味方となります。IoTを工場に導入することで、人手不足の状況下における業務の効率化や、ベテランの技術者のノウハウのフィードバックなどが可能になります。

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