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コラム

IoTが可能にする工場のコスト削減

2019年06月19日
MySQLのIoTが可能にする工場のコスト削減最適化

工場の排水や廃液処理には、かねてよりコストの負担、人的リソースの欠乏、技術的なハードル、また実態把握の難しさなど、大きな課題があるといわれてきました。なぜ工場の管理にこのような課題があったのでしょうか。かつてドイツで提唱された「インダストリー4.0」は、今IoTとして再び工場の経営にひとつの方向性を提示しています。これらの工場の課題に対して、その解決策としてIoTの活用がうたわれているのです。その理由はどこにあるのか、現状の課題とあわせてみていきましょう。

工場の課題(※排水に関するコスト、管理面の課題)

ある大手製造会社で、環境面から工場のコストを算出する試みを行いました。「マテリアルフローコスト(MFCA)会計」と呼ばれる環境会計のひとつを、自社の工場に適用してみたのです。かねてより、無電解ニッケルメッキの工程において排水および廃液にかかるコストが大きいと想定していました。しかし、工場全体としてのコストは算出できますが、排水・廃液にポイントを絞ってコスト算出することはなかなか難しいとされています。MFCAを使った算定では、想定以上のコストが排水でかかっている実態が分かったのです。

かつての公害時代の教訓から、現在の工場では排水は浄化して排出するようになっています。しかし、水質の管理、監視、またその浄化装置には多額のコストがかかります。水質の監視は工場の各ポイントで行われますが、水質分析装置自体が多額の投資を必要とします。むやみに水質分析装置を導入すれば経営上の負担にもなりかねません。人的にも管理上も工場にとっては負担となっている部分でもあります。

IoTを用いたコスト削減の解決策

製造業、特に工場ではIoTの活躍する場が多く存在します。コスト、人的リソース、データの活用とIoTを活用することで解決できるソリューションの提供が各企業から提案されています。排水や廃液処理などは水質分析をセンサーの多用とネットワーク化により、いわゆる「見える化」が実施できます。この「見える化」は直観的に問題の把握と対処方法を探る、よりストレートなアプローチといえます。水質分析にかかる人的コストは経営上も大きな負担となっていることはすでに述べましたが、IoTを利用することで解決の糸口をつかむことができるのです。

水質管理には専門の知識と経験が必要ですが、今後日本の人口が減っていくなかで、人材の不足は目に見えています。生産部門と違い、排水・廃液処理は、それ自体が利益を生むわけではないため、軽視してしまう工場も少なくありません。その意味でもIoTは解決策を提示しています。

IoTの必要性

その点でIoTは大企業にとっても重要ですが、中小企業にとってもその活用が大きく期待できるものではないでしょうか。IoTを提案しているサービスのなかには、パッケージ化されて導入のハードルがグッと下がっている提案があります。

工場で使われる資源、例えば人員の配置や活動、エネルギーの利用量、排出物の管理と計測が一元化されてチェックすることがIoTによって実現しています。このような膨大な情報は、いままで計測することも、的確に把握することも出来ませんでした。厳密には多大なコストがかかるため実現されていなかったのですが、IoTの活用で現実的になってきたのです。このようにIoTの導入は今後の社会にとって必要であり、必須といえます。

まとめ

これまでIoTは生産性を高めるためのツールとして注目されてきた面があります。しかし、ここにきて工場での課題、排水や廃液処理などの環境面でのコスト低減にも大きく威力が発揮される点も注目されてきています。いま話題の5Gが本格稼働し始めると、工場とIoTの関係も大きく変わることでしょう。今後もIoTの発展が見逃せません。

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