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コラム

IoTが可能にする工場の人的ミス削減

2019年07月26日
IoTが可能にする工場の人的ミス削減

工場からの排水は、法律に従ったレベルまで水質を調整し、下水処理されることを求められています。そのため、工場施設内には適切に水処理するための施設の設置が求められ、さらにはそれを堅実に実施するための経験と技術を持った多くの人員が必要となります。

しかし工場や事業所での排水にはコスト負担や人的ミスなどの課題がまだまだあるので、この課題をIoTによってクリアできないか、官民を挙げて検討と実施が進んでいるのです。

工場の課題(※特に排水に関する人的ミスの課題)

実は水質汚染などの排水に関わる事故は、人的ミスが30パーセント以上にものぼっています。しかも、工場や事業所での人的ミスには、操作ミスだけでなく、点検や水質検査のミスや、計測設備の故障などが含まれています。水質チェックが適切に、要所で行われることが大切なのですが、人員の不足や経験・知識不足という面も見逃せません。

一方で水処理のプロセスを適切に実施するための装置は大変高額であり、企業・工場にとってもその負担は重いといえます。また排水については、出口だけ管理すればよいわけではなく、施設内の要所に多くの水質管理のためのポイントを設置しなければなりません。多くの要所を監視して水質を分析し、かつ問題が発生した際は適切な対応をとるための人員確保は、人手不足の昨今では大きな課題となっています。エンジニアの技量不足やカバーする範囲の増大は、人的ミスを誘発する原因となっています。

IoTを用いた人的ミス削減のための解決策

工場での排水管理ではIoTの利用が有効であるとの事例はすでに多く報告されています。施設内の多くの要所にセンシング技術を活用した水質監視システムは、24時間無人でも適切な監視を実施しています。このIoTシステムではコストパフォーマンスに優れている点が大きなポイントです。水質測定機器は以前と比べるとかなり小型化されていて、投げ込み式のコンパクトサイズのセンサーが注目されています。

IoTシステムの導入では、初期費用も大切ですがランニングコストも大切です。メンテナンスのし易さや、機器の堅牢性はランニングコストに大きく影響します。最近のIoTシステムに使われている計測機器には、自己判断で自ら掃除するワイパー機能を持ったものもあり、まさに人の届かないところまで自動化されているのです。排水といえども深い知識と多くの経験があって、初めてその運用が可能になりますが、IoTを活用することで、様々な課題に対応していくことができそうです。

IoTの必要性

IoT(Internet of Things)とはすべてのモノがインターネットとつながるという意味です。パソコンやスマートフォンだけでなく、計測機器や制御装置がインターネットを通してネットワーク化されることで、工場の在り方も大きく変わっていくことが予想されています。従来の産業でも、IoTによって新しい価値が創造され、革新的な業態に変化することも考えられます。日本の多くの工場でもIoTによるイノベーションが期待されています。

今後、IoTが適用される場面は、社会の多くで見られることになります。例えばスマートメーターによるエネルギーの効率的制御や、工場などでも活用されるセンシングシステムやリモートモニタリング、物流ではテレマティクスが期待されます。

まとめ

直近での総務省による人口動態調査では、実に43万人が国内から減少しています。人材不足を補うという点でも、IoTによるイノベーションと幅広い展開が期待されています。さらに、米中貿易摩擦ではからずも話題になっている5Gが、IoTをより大きく進化させる技術であることは間違いありません。IoTがより強力になって、国内の工場でも広く展開されれば、技術立国日本の復活も期待できるのではないでしょうか。

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