jumper

コラム

不良品を出さない、顧客の工場を止めないためのIoT

2019年10月29日
不良品を出さない、顧客の工場を止めないためのIoT

ITの導入により、売上アップや生産性の向上が期待できると言われています。中小企業庁が発行している「2016年度版中小企業白書」では事例を挙げながらIT投資の効果を分析しており、そのメリットがよく分かります。しかし、IT導入で成果をだすためには、気を付けなくてはならないポイントがいくつかあります。ここではIoTに焦点を当てて解説してみましょう。

クライアントに迷惑を掛けないためのIoT

製造業の現場では、納期の遅れや不良品の発生などがクライアントへ迷惑をかける主なケースといえるでしょう。これらの対策として、IoTの活用は大きな効果が期待できます。

製品の不良品発生率を下げるためには、製造工程の「見える化」が有効です。IoTではセンサーにより製品計測値を正確、迅速、そしてリアルタイムでキャッチできます。そして取得したデータの解析結果をグラフや数値によって提示することも可能です。このように、調査結果を誰もが直観的に理解できる「見える可」は、現場だけでなく経営者にも有益な情報となります。

IoTの導入によって得られたデータは、製品の形状や重量など製品に関する情報だけでなく、環境に関する情報も得られます。温度、湿度、電流値といった環境情報も不良品の発生に関わる要素です。これらを逐次検証することにより、全体の調査コストも低減できるうえ、そのフィードバックによって不良品発生率の低減や納期遅れの回避につなげられます。

IoTでアフターサービスにかかるコストを低減

IoTはアフターサービスの面でも成果を出しています。遠隔での保守管理や操作を実現するサービスは、IoTなくして成立しません。ウェアラブルなデバイスを活用すれば、納品先と製造元で情報共有が可能です。

両者の情報共有が一元管理できれば、遠く離れたクライアント先での状況も、製造側のベテラン技術者がチェックできます。そのため、的確なメンテナンスや問題解決を図ることが出来るのです。IoTの活用は、新たなクライアントとの関係を築くことにも貢献します。

さらに、GPS(全地球測位システム)やGIS(地理情報システム)というメタデータを加えることで、IoTのレベルは大きく向上します。例えば現場で事故が発生した際も、危険な環境や状況であっても正確な状況を把握でき、それによってより正確な対応策を導き出すことができるのです。

このような新しい形のアフターサービスやメンテナンスの実現で、製品の品質向上、移動コストの低減、人件費の低減という大きなメリットが得られます。

まとめ

IoTの活用によって、国内の製造現場では大きな変革が起きています。日本の中小企業や工場では熟練の技術者が活躍してきました。それが日本の産業界、製造現場の大きな原動力となっていたのです。

しかし、IoTの導入により、熟練技術者からの技術の伝承もこれまでの口伝や長期間にわたる継承といった手法とは違った、新しい方向が提示されています。人口減に悩む日本国内の問題も、IoT活用によって切り開かれるのではないでしょうか。

CONTACT

製品・サービスに関するご質問、お見積もり、お問い合わせなど、お気軽にご連絡ください。

 050-5505-5509

受付時間 9:30 - 12:00, 13:00 - 17:00
(土日祝および年末年始を除く)