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コラム

IoT導入の障壁がなくなる?

2019年11月21日
IoT導入の障壁がなくなる?

いま、世界のテック企業のトップを占める「GAFA」(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)が、将来をかけてしのぎを削っている分野こそ「ビッグデータ」です。

1999年にマサチューセッツ工科大学のケビン・アシュトンによってIoT(Internet of Things)が始まったとされていますが、実質的には2010年代後半からが黎明期といえます。つまり、IoTはわずか10数年ほどで大きく発展したのです。
そして2020年代を迎えて、ビッグデータ x IoTの関係がさらに進化する方向が見えてきました。

IoT導入の障壁の一つ、ネットワークキャパシティ

IoTの加速度的発達で、取り扱うデータも膨大になりつつあります。そのためネットワークキャパシティ(ネットワークの許容範囲)が問題となっているのです。まず、IoTでは膨大なデータを無線でどのように届けているのか、現状のシステムを見ていきましょう。

一般的にIoTに使われているネットワーク通信は、現在のところ「LPWA」(Low Power, Wide Area)が主流です。「LPWA」の特長は省電力広域ネットワークが実現できている点にあります。通常、無線LANの届く範囲は数百メートルですが、LPWAでは数キロがその範囲になります。

LPWAのメリットは、遠くまで無線を届けて、かつ省電力である点です。一方で、伝送速度や遅延制御は低性能になる点がデメリットでした。このため、今後データ量が増加するIoTの通信システムには、より大きなネットワークキャパシティが必要とされています。

このままLPWAでIoTが拡大していくと、トラフィック増大や、応答遅延などの問題が顕在化する恐れがあります。この問題はシステムの稼働遅滞や負荷増大の他にも、セキュリティ上のリスクも考えられるのです。そのため、通信方式として次世代の技術が待望されていました。

5G時代がもたらす産業革命

最近、米中貿易摩擦問題でも度々話題になっている「5G」こそ、LPWAに代わる次世代の通信方式といわれています。5Gの特長は「高速大容量」「低遅延」「多接続」の3点です。まさにLPWAの弱点をカバーする性能になります。

低遅延がどのようなメリットを生むのか、一言でいえば「リアルタイム」です。例えば機械制御を遠隔でリモートコントロールする場合、遅延が決定的な損害を生むケースがあります。自動車に例をとると、遠隔運転している時に遅延が発生した場合、事故を起こしてしまいます。

また、医療分野でも5Gによるリアルタイム制御が期待されており、リモートで手術を行うことすら可能と考えられています。実際に「スマート治療室」「ハイパーモデル」と呼ばれる、手術室の機器をネットワークでつなぎ、ロボティック手術台での治療も試みられているほどです。

IoTによる5G時代は、まさに新たな産業革命といえるのかもしれません。

まとめ

5Gによるネットワークの進歩は革命的といえます。ただ、5Gにも欠点があり、その通信範囲が短いという点です。つまり大容量・高品質で高速度なのですが、届く範囲が短いということです。しかし、中継器の工夫によってカバーできる部分も大きいため、今後も5Gは利用機会が劇的に増えると予想されます。

ネットワークキャパシティ解決の道が、5Gによって開かれていくことは、高い可能性でありえます。今の段階からより積極的にIoTを活用し、ノウハウを蓄積することで、今後の発展が望めるのではないでしょうか。

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