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コラム

稼働停止させいないIoTのロードマップ事例

2019年12月26日
稼働停止させいないIoTのロードマップ事例

現在、IoTの重要性については多くの企業経営者や工場の責任者・運営者が認識しているところです。しかし、意外と事業現場や工場でのIoT活用について、具体的なイメージを持っている経営者や責任者は少ないのではないでしょうか。

今回はIoT活用の事例を紐解きながらIoT導入から運用までのロードマップをみていきましょう。

目的は稼働停止時間の削減と早期復旧

工場運営の中で最も大きなトラブルのひとつに稼働停止があります。機器の異常、事故、故障という深刻な事態、あるいは部品の欠損など様々な要因から稼働が止まるリスクが発生します。

製造機器の故障となると数日の稼働停止も考えられ、その場合は工場経営にも取引先にも大きな影響が発生します。経営者もしくは責任者としては、最も避けたい状況のひとつです。

また、そこまで大きなトラブルでなくとも、頻繁な短時間停止にも大きなリスクが潜んでいます。いわゆる「チョコ停」というものです。この短時間トラブルは原因とその対応方法も明確なことが多く、日常の一般作業のひとつになっているケースもあります。

それだけに抜本的な解決を図らず、チョコ停を放置しているところもあります。しかし、結果的にチョコ停が積み重なることでコストと稼働率の低下につながっているのです。

工場には見えない機会損失「ロス」が潜んでいることを理解すべきです。このロスを見える化し、稼働停止を事前に回避する手段としてIoT導入が大きな解決策として注目されています。

データの利用イメージ

IoTの有効活用においていくつかのフェーズがあります。データの収集・蓄積、分析・予測、制御・最適化の3つの段階があり、それぞれのフェーズを経てIoTが実施されます。

データの収集・蓄積
ここがIoT実施の入り口になります。データの収集は主にセンサーが受け持ちますが、このセンサーとネットワークが連動することで、広範なエリアであってもリアルタイムで情報を収集することが可能です。また、ネットワークの終端にはクラウドやサーバーが位置しており、ここでデータの蓄積がなされます。
センサーの感度や種類によって、その工場に適したシステムが構成されるので、重要なフェーズといえます。入り口となるデータの収集・蓄積の能力いかんでIoTの成功、不成功が別れるためです。また、正しく対応することで工場の稼働状況を正確にモニタリングが可能になります。

データによる分析・予測
データを膨大に集めてもそれを活用する術がなくては意味がありません。このフェーズでは集めたデータを適切に分析し、その後の課題を予測することが求められています。重要なのはデータの「見える化」です。数値の羅列ではなく、グラフや図、またはアラートなどの音を有効に使った、システムから人へのコミュニケーションが可能な点がIoTのポイントです。
ここでのデータ分析から、事前にトラブルの回避が実施できるようになり、様々な課題の解決方法が見えてきます。また、故障などの工場稼働停止があっても迅速な復旧策の提示も可能になるのです。

データによる制御・最適化
上記のフェーズから課題解決のための有効なデータが集まりますが、さらに高度な活用ができます。故障や稼働停止の原因究明とその対策を、IoTでは自動化することが可能なのです。稼働停止からの復旧も迅速に対応でき、さらには稼働停止の前に対策を講じることもできます。

次に具体的な事例を見てみましょう。

1)IoT活用による工場の生産活動最適化
富士通グループではIoT導入によって生産ラインの設計・構築の短縮化が実施されています。

2)M2Mサービスで製造ラインを遠隔保守するサービス
栗本鐵工所は設備の故障に伴う稼動停止の削減をIoT導入で可能にしました。

3)工場オペレーションにIoTを駆使
自動車のクラッチ・トルクコンバータ製造会社の株式会社エクセディではIoTによって設備の故障に伴う稼動停止の削減ができました。

他に多数ありますが、やはりIoTの導入は稼働率の向上や稼働停止に強い威力を発揮しているようです。

まとめ

IoT導入は2017年に経済産業省から報告された「ものづくりスマート化ロードマップ調査」にも詳しく述べられていますが、非常に多くのIoT導入事例が発表されています。このことからも、日本国内の工場関係者からの注目度が大変高いことが分かります。

IoTは、「データの収集・蓄積」が従来の人員による手作業や目視からのものと比べて、はるかに簡単にかつ正確に運用できることが分かっています。この点を理解し、今後の工場運用を考えていくことが大切ではないでしょうか。ぜひとも稼働停止させないIoT導入のためのロードマップを検討してみてください。

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