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コラム

IoT導入により少人数での工場稼働を実現

2020年03月26日
IoT導入により少人数での工場稼働を実現

企業の生産現場では、需要と生産可能なキャパシティのバランスをとることが大切です。最近ではコロナウィルスの影響でマスクやトイレットペーパーが店頭からなくなっていますが、このような需要の変動に対して柔軟に対応できれば、生産する側のメリットは大きいです。

しかし、変動する需要に対して有効な解決策はあるのでしょうか。IoT導入を通してこの課題に取り組んだ、ある企業の事例を見てみましょう。

【課題】休日や夜間の生産に人員が割けない

多くの工場・生産施設では需要の変動に対する対応にも限界があります。なぜなら、人的リソースや生産機器・設備の能力や稼働率には自ずと上限があるからです。そこで、夜間や休日も稼働することが考えられます。

しかし、それに伴った人材が確保できなければ実現できません。一方で国内の求人難や少子高齢化は、工場などでも深刻になっています。経済産業省が2017年に行ったアンケートでは、前年と比較して人手不足という回答が10%増えていました。オリンピックを目前とした2018年・2019年には更に深刻な人手不足が加速していると考えられます。

上記のアンケートでは「人手不足の問題はない」という項目もありますが、2016年では20%近い回答者が「問題なし」としています。しかし2017年ではその数が悪化し、6%を切っているまでになりました。このようなデータを見る限り、簡単に夜間や休日に人員を割ける状況ではない生産現場も多いと推測されるのです。

IoT導入により生産量は1.5倍に

数年前から経済産業省では各種の調査を基に、今後の国内での経済活動の在り方を提言していますが、「IoT活用」「働き方改革」などもそのひとつです。特にIoTの活用は工場の稼働率を劇的にアップすることが見込めます。

2017年に経済産業省(関東経済産業局)から発表された「中小ものづくり企業IoT等活用事例集」には注目すべき事例がいくつもあります。例えば、ある成形工場では最小の人員で製造ラインを24時間365日の稼働を実現したというレポートが掲載されています。

同社はプラスチック製のボールペンや自動車部品、機器部品を製造している企業です。プラスチック成型、つまり樹脂部品を大量生産しているのですが、単価の低い製品が多くを占めます。そのため、大量かつ安価に、またコンスタントに生産することが求められています。

この課題に対して同社のとった取り組みはIoT化でした。50台近い成形機の全てをモニタリングし、その稼働に関するデータを収集し、稼働状況の見える化を図りました。また、工場内のあらゆる角度から監視することができるよう、ネットワークカメラを40台以上設置しています。これよってスマホさえあれば担当者がどこにいても工場のトラブルを把握することが可能になったのです。

このような取り組みの結果、生産量は実に1.5倍もの増加が達成でき、大きな成果につながりました。

まとめ

今回事例として紹介した工場は決して大きな企業でなく、関東近郊にある地域に根差した企業ですが、技術と品質には定評のある地方企業のひとつです。そして、同時に経営理念の中に「時代の先を読む経営」を目指していると謳っている点が、まさにIoT導入にも積極的だったひとつの理由かもしれません。

もはや導入に躊躇する必要のないIoTは、都市部の大手企業だけでなく、地方の企業も積極的に導入するべき時期に来ていると言えるでしょう。

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