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コラム

工場におけるIoTの見える化が大切な理由

2020年05月29日
工場におけるIoTの見える化が大切な理由

IoTというワードがここ数年の製造業に及ぼした影響は、洋の東西を問わず非常に大きいと言えます。ドイツでは「Industrie4.0」という呼び名で生産・流通に革命を起こし、アメリカではドイツに遅れること2年後には「IIC」が立ち上がっています。「IIC(Industrial Internet Consortium)」とは、インターネットを機器や設備を繋げるビジネスモデル、すなわちIoTを推進する団体です。日本では2015年に「IoT推進コンソーシアム」が産学官の連携で発足しています。

現在、多くの企業経営者、または工場責任者・担当者はIoT導入の必要性を高く感じています。そのため多くの事例を調べ、資料を取り寄せ、専門業者にも問い合わせしているところも多いでしょう。しかし、意外とIoT導入の取り組みについて明確なビジョンが見えないというケースも少なくありません。

IoT導入に際して悩んでいる方々に、何から手をつけて良いか具体的な方法はないのでしょうか。

ひと目みて誰でもわかる見える化を意識する

確かにIoTにはストレートなイメージがありません。例えば自動車やファックス、コピー機などは機能が明確で、単に購入すれば即日から利用が可能です。対してIoTは、概念は理解できるが導入するとなると具体的なイメージが湧かないという人も多いようです。

基本的にIoTは企業や施設、工場ごとに導入方法や規模が異なります。つまり大量生産の既製品ではなく、サイズや素材まで特注できるオーダー服のようなものです。どのようなオーダーをするかで、その仕様も価格も大きく変わってきます。選択肢や自由度が高いため、かえって導入を決めかねる状況に陥ることが、IoT導入にはよくあります。大切なのは誰でも理解できる成果や効果を実感できるかではないでしょうか。IoT導入では「見える化」がひとつのメルクマールです。

情報の「見える化」が出来れば、経営者から現場の従業員まで一目で状況や方向性が理解できます。工場の生産性、稼働率、不良品数などの情報がリアルタイムにビジュアルで表示されることのメリットは計り知れません。

IoTの導入で必要な見える化のテクニック

IoT導入は概ね3つのステップを踏みます。ひとつずつ確認していきましょう。

第一ステップはモニタリングです。すなわち、センサーとネットワークを活用し、工場内の多くの情報を収集し、また解析していきます。その情報を集積し、解析するのがサーバーでありコンピューターですが、近年では主にクラウドを活用することが多いのです。

第二ステップはメンテナンスです。モニタリングによって手に入れた情報は、恒常的な改善に役立ちます。継続したメンテナンス(保守運用)の改善によって、工場の在り方や製造方法が構造的に変化していきます。

最後のステップがコントロール、もしくはリモートコントロールになります。モニタリングとメンテナンスによって把握できた製造現場の状況は、遠隔地であってもビジュアルとして確認できます。一歩進めてリモートでの操作も可能です。

工場内から工場外へ、リモートによる操作や状況把握が可能になるメリットは計り知れません。取引先や関係各社と、製造現場の情報を共有することも出来ます。このように「見える化」のテクニックがいかに重要であるかがお分かりいただけるかと思います。

まとめ

IoT導入の理解はまず「見える化」から始めてはいかがでしょうか。人間の行動原理は視覚的に影響されやすいと言われています。ビジュアルにされると、複雑な情報も伝わりやすく、理解しやすいのです。IoTで悩むところがあれば、まずは「見える化」することをイメージしてみると良いのではないでしょうか。

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