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コラム

生産性の向上だけではない品質の維持にも期待できるIoT

2020年07月06日
生産性の向上だけではない品質の維持にも期待できるIoT

世界的なパンデミックを引き起こしている新型コロナの猛威に、ここ数か月あらゆる国やエリアの工場が生産停止に追い込まれています。このような従来にない危機に対して、対応する方法のひとつとがIoTの活用です。

なるべく人間の関与を少なくすることが可能なIoTこそ、今後はより積極的に導入が進むはずです。IoTによって生産性が向上するだけでなく、その完成品の品質維持にも役立っています。ここでは、いくつかの事例からIoT導入のメリットを理解していきましょう。

IoTで現状の可視化が可能

IoTの特徴として「見える化」があります。工場の稼働状態や生産状況をリアルタイムで数値データとして収集することがIoT導入で可能になっています。しかし、単にデータを収集するだけでなく、クラウドやサーバーで蓄積し、分析することが出来る点がIoTの大きなメリットです。

数値データを生のままで理解し分析できる人材は限られています。そこでBIツールなどを活用した方式がとられています。あらゆる人間に、目で見ても直感的に理解できるように、グラフィカルなビジュアル処理をされることでIoTは飛躍的に利便性を高めます。

例えば、ある建設機械の大手メーカーでは、各地の複数に渡る工場の稼働状況をIoTによって管理しています。データは収集され、クラウドによって一元管理されています。稼働状況は単に数値の羅列ではなく、モニターにグラフとして表示され、ブレークポイントごとの対応が決められているのです。

このような体制を築くことで、売上販売と在庫、生産・稼働率などを比較しながら工場の生産性を高めることに成功しています。これは利益を追求する企業にとって、重要な判断を的確に行える、大変有用なシステムと言えるでしょう。

IoT導入で生産性の向上や品質の維持

また、ある鋳造会社では品質管理のためにIoTを導入しています。鋳造製品を3Dデータとしてレーザーで測定し、本来の設計情報との誤差を検知するものです。設計情報が理想の形状とすれば、実際に製造された完成品との誤差は品質に直結するものです。品質維持のための方策としてIoTを上手に活用した事例といえます。

ある産業用冷凍機の製造販売会社では製品の故障予知にIoTを活用しています。製造した冷凍機にセンサーを設置し、販売先・取引先での稼働情報を収集してそのデータを分析することにより、故障の予兆をつかんだ場合は最適のタイミングでアラートを発信します。製造販売会社と販売先会社との信頼関係を向上させることにIoTは役立っているのです。

このように各種の事例でも解るように、IoTによる生産性の向上や品質維持は大きな力を発揮しています。IoTの効果的な活用に、いわゆる「見える化」「可視化」は重要なポイントです。社内のスタッフだけでなく、多くの関係者とも情報を共有し、全員が理解できる「可視化」された情報こそ、品質維持・生産性向上のための仕組みではないでしょうか。

まとめ

製造業においてIoTを効果的に活用するには、いくつかの押さえておくべきポイントがあります。まずは自社の課題が何であるか見極めることが大切です。IoTを導入することで、何が解決でき、何が効果を上げるのか、よく現状を分析してください。

その点で生産性の向上と品質維持のためのIoT活用方法を目標に置くこともひとつの方策といえます。また、IoT導入の重要なポイントを的確に提示してくれる協力者が外部にいると大きな一助になります。IoT導入で悩んだら、専門業者に相談することも検討してみましょう。IoT導入が成功する可能性が高まるのではないでしょうか。

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