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コラム

IoTの導入で生産性を改善するための問題点の見つけ方

2020年08月03日
IoTの導入で生産性を改善するための問題点の見つけ方

工場ではIoTをどのような目的で導入するのでしょうか。さまざまな目的や意図があるはずですが、ひとつには生産性の向上、または生産性の改善を目指しているケースも多いのではないでしょうか。ここではまず、IoT導入によって把握できる生産性に関わるデータとはどのようなものなのかを確認します。

そして、IoT導入によって問題点を洗い出す方法を理解しましょう。IoTは導入後にこそ、その真価を発揮します。では事例を挙げて見ていきます。

IoTの導入で得られる生産性に関するデータ

概ね生産性に関するデータの基本には5つあります。「工場・設備・機械の稼働状況」「工場・設備・機械の故障状況」「工場・設備・機械の製造状況」「工場の動線状況」「工場の人的動態」です。

稼働状況とは、工場に材料や素材、部品が納入されてから製品として工場より搬出されるまでの状況です。あるいは時間と言っても良いかもしれません。標準的なタイムより遅い、あるいは速いという稼働状況が把握できます。ここからラインや工場全体の生産性を予測することが可能です。

故障状況の把握は、工場の運営にとって非常に重要なデータです。生産ラインの生産性に直結する故障の頻度や、その軽重、質などはメンテナンスにとっても指針となるデータと言えます。

工場や生産ラインでは、各要所に製造状況を記載したボードなどが置かれています。これは工場作業員の全員が現在の状況を理解するためのものです。この製造状況の把握をデジタル化することで、より理解度が深まるための「見える化」を行います。

工場の動線状況とは、工場内での人員や搬送機器の動きを指します。製造物がラインや所定の場所までの移動する状況は、やはり生産性を左右する重要なファクターのひとつです。生産性向上のためのボトルネックとなっている可能性があるポイントと言えます。

工場の人的動態とは作業者の作業動態のことです。機械ではない作業者が行う場面では、ヒューマンならではの特性があります。人ならではのエラーも検討しなければなりません。しかし、現状では人間にしかできない作業もあります。これらの状況を正しく把握することによって生産性の改善が可能です。

IoT導入後の問題点の見つけ方

このように、生産性改善のための必要なデータは大きく分けて5つあります。次に考慮しなければならない点は、データの活かし方です。IoTの大きな特徴として「見える化」がありますが、たしかに「見える化」によって問題点の発見や、改善方法の進め方などが容易になるのは間違いありません。

しかし、一歩進めてIoT導入後に問題点を積極的に見つけることを意識してみてはいかがでしょうか。問題点の洗い出し方、あるいはその方法論があるのです。例えばある生産ラインで、上記の5つのデータを収集するとしましょう。まず、ひとつのラインにおけるボトルネックやウィークポイント、または逆に効率の良い点などを列記します。

次に別なラインで同様の検証を行い、最初のラインと別のラインの状況を比較することで、生産性の高いラインの特徴、生産性の低いラインの問題点を明確化します。この比較検証をラインだけでなく、工場全体、さらに工場同士の比較検証に広げていくのです。

この方法で、単体では気がつかなかった生産性に関する問題点が明確になっていきます。

まとめ

現在はIoT導入上のハードルは低くなりつつあります。IoTに必要なセンサーや機器、ソフトウェア、クラウドなども機能が上がり、逆に価格は下がっています。その状況も手伝って、IoTは既に多くの企業や工場が導入しています。しかし、活用し切っているところは案外多くないのが現状です。

もちろんIoT導入だけでも大きな効果を発揮することはできます。しかし、もう一歩踏み込んで、IoT導入後の活用方法も積極的に検討してはいかがでしょうか。今回ご紹介したフローはIoTをより良く活用するための方法のひとつです。他にもこれまで気がつかなかったノウハウがあることが予測されます。専門家の意見なども参考にしながら、IoTをより有効に活用してはいかがでしょうか。

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