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コラム

工場へのIoT導入を成功させるポイント

2020年08月24日
工場へのIoT導入を成功させるポイント

ドイツではインダストリー4.0と呼ばれるIoT(Internet of Things)は、今や生産工場から製造業、農業、建設、インフラ産業と幅広い分野で活用されています。国内でも経済産業省が数年前から提唱しているConnected Industries(コネクテッドインダストリーズ)もIoTと重なる概念です。

たしかにIoTは社会の広い分野で、劇的に生産性を向上している最先端の技術ですが、近年はIoTを導入すること自体が目的となっているケースもあるようです。IoTを導入する本来の目的は、IoTをどう活用するか、成功のポイントはどこにあるのかという点にあることを忘れないようにしましょう。

IoTはただ導入すれば良いというものではない

最近ではIoTに欠かせないセンサーやネットワーク機器の価格が下がっていることもあり、IoTは安価なシステムとの認識も広がっています。しかし、本来IoTは、画一的なプロダクトと異なり、基本的にその業種業態に合わせて構築されるべきものです。そのため安易にコストを重視してしまうと、導入後に期待したパフォーマンスを発揮できないということもあり得ます。

ネットワーク機器の選択も重視しなくてはいけません。データを収集し分析する工程では、メモリ、CPU、ストレージ、そして通信規格などのリソースの性能に左右されます。これも企業によって必要なスペックは違うはずなので、ミスマッチなスペックで機器を揃えてしまうと運用後に問題が発生することになりかねないので注意が必要です。

たしかにIoTは導入するだけでも大きく仕事の在り方が変わるほどのツールです。特に「見える化」による効果は絶大と言えます。しかし、IoT導入で肝心なのは、既存のビジネスモデルからの脱却という点です。ただ導入すれば良いというものではありません。

自社に適したIoT導入が成功のポイント

IoT導入には2つの方法論があります。ひとつは企業の既存のリソースを活用し、ローコストでIoTを実現する方法、もうひとつは企業のソリューション(課題解決)の手段としてのIoT導入です。

前者の在り方を選択する企業経営者の方も多いのではないでしょうか。既存のリソースを活用するので現実的であり、効果もある程度見込めます。一方、後者は抜本的にビジネスモデルを変更する可能性がありますが、実はこれこそIoT導入に大きな成功を期待できる選択肢なのです。

IoT導入にあたっては、単に生産性の向上や改善に留まるのではなく、たとえばどの工程で活用するのか、どのように活用するのか、ベース(基本)から考え方を組み立ていく必要があります。ベースから見直す、つまり見方を変えることによって今までにないモデルができあがる可能性さえあるのです。

また、IoT導入を成功させる手段としてPoCの実施が有効なケースがあります。PoC(Proof of Concept)は「概念実証」「コンセプト実証」とも言われています。プロジェクトが企画段階から実証、検証し、期待された効果が得られるか、そもそも実現可能なのかを検証する考え方です。

PoCはIoT導入にも有効です。PoCを繰り返し実施し、仕様やスペック、または作業フローを煮詰めていく工程は、企画段階におけるIoT導入の現実的な骨子となります。

もうひとつのポイントは「スモールスタート」です。「小さく始めて大きく育てる」とも言えるでしょう。IoTは最先端の思想を古い技術で実現しているとも言われていますが、その点では拡張しやすく、新しい技術を取り入れやすい利点があります。

まとめ

「古い酒を新しい入れ物にいれる」ということわざもありますが、IoTの場合も利用されているセンサーやリソースはもともとある技術を集めたものです。だからこそ安定と安全性に優れたシステムと言えるでしょう。拡張性も高いので、今後新しい発想やモデルが出現しても柔軟に取り入れられる可能性が高いのです。

もしIoT導入を検討しているのであれば、専門業者のアドバイスも大切にしましょう。初期投資は低いスモールスタートから始める場合でも、専門家のアドバイスによって効果的にIoTを活かすことができる可能性があります。

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